2018年6月26日 更新

美容皮膚科の先生に聞く、肌荒れと乾燥性皮膚炎の違いと対策

最近肌荒れがひどくなったり治りづらくなったと感じることはありませんか。肌荒れと思っている肌の不調は、もしかすると、乾燥性皮膚炎かもしれません。どうして、肌荒れと乾燥性皮膚炎が混在されてしまうのでしょうか。大阪美容クリニック 院長の南 真実子先生に聞きました。

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南 真実子先生プロフィール

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南 真実子  - Mamiko Minami -

《経歴》
2010年 大阪医科大学医学部卒業
     大阪医科大学附属病院院初期研修
2012年 大阪医科大学産婦人科医局入局
2013年 済生会吹田病院産婦人科
2015年 大手美容クリニック 入職
     レディースクリニック北浜
     大阪医科大学健康科学クリニック婦人科
2017年 大阪美容クリニック 院長

患者さまお一人おひとりの“美”に対するご希望を、しっかりとお伺いし、最適かつ最善な方法で理想へ導きます。
一歩踏み出したお悩みから、些細なお悩みまで。まずはお気軽にご相談ください。

Q.乾燥性皮膚炎とはどんな症状なのでしょうか。

A.乾燥性皮膚炎とは、その名の通り、乾燥により皮膚炎・湿疹をきたした状態を指し、診療現場では皮脂欠乏性湿疹といいます。

皮脂や汗の分泌が低下した状態では皮膚のバリア機能が低下しているため、外的刺激をうけやすく、その状態に刺激性接触性皮膚炎などが加わって湿疹を生じます。
聞き慣れないかもしれませんが、刺激性接触皮膚炎とは、原因となる化学物質が直接肌に接触することで、接触した部位に赤いぶつぶつ(紅斑)や皮膚の盛り上がり(丘疹)や、水をもった湿疹(水疱)といった症状が生じる疾患のことをいいます。接触した部位と接触されていない部位ではっきりと境界が見えるのが特徴的です。
乾燥による皮膚炎や湿疹は気になりますよね…

乾燥による皮膚炎や湿疹は気になりますよね…

原因物質に触れることで湿疹を起こしてしまう疾患とも表現できます。原因物質自体が持つ刺激や毒性によってかぶれるため、アレルギーに関係なく誰にでも起こりえます。
主に起こりやすい時期としては、空気が乾燥しやすい秋から冬場に、乾燥した肌が外からの刺激に敏感になりひどくなる傾向が見られます。

春先でもまだ空気が乾燥している場合もありますし、夏場はクーラーの影響から乾燥することも多々あるので、現代では一年中起こり得る症状になっています。
クーラーは要注意!

クーラーは要注意!

また、衣類の締め付けや摩擦、入浴で体が温まることなどのささいな刺激により、肌のかさつきや赤みなどの炎症、かゆみやヒリヒリする痛みなど様々な症状があらわれることもあります。
加齢が進み肌が衰えてしまうことや、タオルでゴシゴシとこするなどの皮膚への強度の刺激が原因になることもあり、痒みのため掻きむしるとさらに症状が悪化し、見た目も痛々しく、そのうえ治りにくくなることもあります。

初期症状としては、肌が白く粉を吹いた状態となりますが、症状が進むと、皮膚の表面に細かいひび割れや皮むけを生じ、炎症による赤みと痒みが増します。

Q.肌荒れとの違いはなんでしょうか?

A.肌荒れは疾患名ではなく、原因を問わず肌が荒れた状態を指します。その肌荒れの原因のひとつになりえるのが乾燥性皮膚炎となります。

肌荒れの原因としては内的要因も含めて、
・無理なダイエットによる栄養素の不足
・過度のストレス
・加齢
・体の洗いすぎや熱いお湯への入浴
・病気による免疫機能の低下
があり、さらにそれらの複合要因が大半をしめています。
ストレスなどもため込まないようにしましょう

ストレスなどもため込まないようにしましょう

Q.肌荒れ・乾燥性皮膚炎にならないための対策はあるのでしょうか?

A.肌荒れをした肌への対策と聞いて、一番に思い浮かぶことは、「保湿」ではないでしょうか。

ただ、保湿だけをしていればいいというわけにはいかず、肌のバリア機能を回復させた上で保湿する必要があります。
では、どのようなことをするとバリア機能を回復させる保湿ができるのでしょうか。

〇保湿成分の入っているスキンケア製品を選ぶ

有効成分が入っているものを選んでください

有効成分が入っているものを選んでください

<市販品から選ぶポイント>
・油分:肌の水分を閉じ込める成分であるオリーブオイルやホホバオイルが入っている製品を選びましょう
・水分:保湿力を持続させる成分であるセラミド・コラーゲンが入った製品を選ぶようにしましょう
・アルコールフリー:弱った肌に対して刺激になってしまいますので、アルコールが入っていない製品を選ぶようにしましょう
<医師に助けていただく方法もあります。>
もしかすると、肌荒れくらいやかゆみだけで病院に行くのは気が引けてしまうと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、保湿による正しい肌ケアを行い肌トラブルを未然に防いでおくことが重要であると日本皮膚科医師会でも盛んに推奨されています。
こんなぐらいで、と思われないかとか気にしないでくださいね

こんなぐらいで、と思われないかとか気にしないでくださいね

医療機関には、顔・体・手の全てに使える万能ともいえる保湿剤が存在しています。科学的に証明された良質な薬を用いて、保湿力を高め皮膚を乾燥から守り、健やかに保つことができますので、悪化する前に、かゆみや赤いぶつぶつが出来たら受診することをおすすめします。

◯生活習慣を少し見直してみましょう

ぬるま湯のお風呂は効果的

ぬるま湯のお風呂は効果的

お風呂をぬるま湯にしてみたり、クーラーを使わないようにすることも効果的ですが、家族がいるとなかなか難しかったりします。

そんな時は、自分だけでできる洗顔の時の温度を調整するのはいかがでしょうか。32~34度の冷たいと感じる程度のお湯で温度にすると、皮膚の表面からの乾燥を防げます。
クレンジングや洗顔の時のアドバイスとしては、力強くこすらないに限ります。
特に、顔の皮膚は薄いので簡単に傷ついてしまい乾燥が進んでしまいますので、気をつけてください。
運動時の顔汗のふき取り方も丁寧に

運動時の顔汗のふき取り方も丁寧に

あとは、適度に運動をし、ストレス解消をすることはとてもよいことですが、汗をそのままにしておくことは望ましくありません。汗をそのままにせずに、ハンドタオル等で優しく押さえるようにこまめに汗を拭き取るか(*ゴシゴシと拭いてしまうとそれが刺激になってしまうことがあるので注意)、シャワーで汗を流すなどして、肌に汗を残した状態にするのは極力避けましょう。

次に、体の内側からの対策についてお伝えします。

◯腸内環境をよくするために、食物繊維や発酵食品を摂取

腸で体に必要な栄養素を取り込んでいるため、腸をきれいにしないと、肌まで栄養素がいきわたり辛くなります。
腸内環境を改善するには、腸内細菌の種類を増やすよりも存在している数を増やしたり、動きを活発にすることが大切です。
そのため、食物繊維や発酵食品の摂取を心がけてみましょう。

私のおすすめとしては、コンビニやスーパーでなどで比較的簡単に手に入る、ぬか漬けや飲むヨーグルトはいかがでしょうか。
昨今のブームもあり、ぬか漬けが見直されていることもあり、冷蔵庫で作れる簡単キットも増えていますので、食物繊維が入っている根野菜を漬けてみるのもいいかもしれません。
ぬか関連製品が流行っています

ぬか関連製品が流行っています

◯血行をよくし肌の活性化をうながすために、ビタミンE・鉄を摂取

腸で吸収した栄養素は、血液によって肌のすみずみまで行き渡り、同様に血液を流れて老廃物も回収します。
そのため、血液の流れに滞ると、細胞が栄養素不足になり、健康な肌にすることができません。
血行が悪いと肌のターンオーバーが正常に行われず、くすんで見えることもあるため、血行をよくするためにも、ビタミンE、鉄を摂取するようにしましょう。ビタミンEには抗酸化作用もあります。
ビタミン E を含むお野菜

ビタミン E を含むお野菜

◯肌のターンオーバーを正常化するために、タンパク質・亜鉛・ビタミンA・Cを摂取

肌状態を保つために、正常なターンオーバー周期になるようにしましょう。

ターンオーバーは、一般的に28〜56日周期で生まれ変わるとされています。
は皮膚の新陳代謝であるターンオーバーが正常に繰り返されていると、肌の艶がよくなり、肌荒れが起こりづらいとされています。
肌のターンオーバーを正常化するために積極的に摂取したいのが、タンパク質と亜鉛、抗酸化作用のあるビタミンA・Cです。
また、ご存知の方も多いかもしれませんが
アルコールやカフェイン、香辛料といった刺激物の摂取も肌荒れには影響を与えてしまいますので、過度な摂取はおすすめができません。
過度の摂取は大敵!

過度の摂取は大敵!

肌荒れと乾燥性皮膚炎の違いと対策 まとめ

肌荒れの原因は一言で断定できませんが、乾燥性皮膚炎を予防する方法はあります。それは、「自分がどんな原因物質で肌荒れを起こすのかを把握する」ことと「皮膚をいつも清潔に保つようにする」ことです。

最後になりますが、少しでも心配なことや気になることがあったら、躊躇せずに皮膚科や美容皮膚科の医師への相談をおすすめします。
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美肌ラボ編集部 美肌ラボ編集部