2017年10月18日 更新

酵素ジュースは、肌荒れ改善に役立つって本当?

野菜や果物から作る酵素ジュース。肌荒れに良さそうだし、ダイエットにも良さそう。でも、酵素って何?と思ったことはないでしょうか?実は、酵素とはタンパク質でできたもの。酵素とは何をするものか、酵素の誤解について、ご紹介します。

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そもそも酵素とは、何をするもの?

私たちの身体は、食べ物を消化・吸収したり、新陳代謝をしたりと、たくさんの活動をしています。酵素とは、身体の中の活動を支えるもので、3,000種類以上の酵素が、私たちの身体の中にあるといわれています。
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3,000種類以上の酵素のうち、食べ物の消化・吸収に関わっている酵素は、「消化酵素」と呼ばれています。消化とは、小腸で吸収しやすいように、食べものを、小さい分子に分解すること。この小さな分子になって、初めて、栄養が吸収されます。
この消化の作業をしているのが、「消化酵素」。私たちの体は、「消化酵素」がなくては、食べ物から栄養を体内に吸収することができないので、美肌づくりにも消化酵素が役立っています。
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消化だけでなく、免疫の向上や新陳代謝にも酵素は関わっています。食べ物は消化されると小腸に取り込まれますが、それだけでは肌や髪など身体の細部には運ばれません。体内に取り込んだ栄養素を、身体の細胞に送り届けるためにも酵素が必要です。

私たちの細胞は、息をしたり、筋肉を動かしたり、考えたりとさまざまな生命活動を行っています。酵素とは、その一つ一つの細胞に栄養を送り、活動させるのに欠かせないものということになります。つまり、酵素とは、私たちにとってはなくてはならない存在なのです。
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美容やダイエットに効果的といわれている酵素。自作の酵素ジュースを作っている方も多いかもしれません。
でも、一般的に広まっている酵素の考え方には2つの誤解があります。
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酵素の誤解1:酵素とは、身体の外から摂れるもの?!

酵素ジュースが広まった背景には、身体に足りない酵素を、補足しようという考え方があります。

本当に、身体の外から不足した酵素を補うことは可能なのでしょうか?
3,000種類以上あると言われている酵素ですが、実は、どの種類の酵素も、タンパク質でできています。なんだか不思議な感じがしますが、食べ物から摂ったタンパク質から、身体の筋肉ができるように、酵素も食べたタンパク質からできているのです。

例えば、タンパク質の入ったお肉やお魚を食べると、お腹の中で、どう消化されるのでしょう?
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タンパク質は、体内に入ると胃の中にあるペプシンというタンパク質を分解する酵素で、アミノ酸に分解されて小腸で吸収されます。
小腸で吸収されたあとは、必要な時に必要な形で生命活動に使われるということになります。

酵素も同じで、胃で一度分解されます。つまり、口から体内に取り入れたところで、そのまま酵素として使われるということはありません。身体の外から不足した酵素を補うことはできない、ということになります。

酵素の中には、稀に、胃腸薬のように、製剤化された消化酵素が入っていて、身体の外から摂ることが出来るものもあります。しかし、身体の中で、今、足りていない種類の酵素を、選んで食べ物から摂って、そのまま補うということはできません。

酵素の誤解2:酵素とは、身体で作れる数に上限があるもの?!

酵素ジュースで、酵素を補えないことはわかりました。でも、酵素が足りなくなってしまったら、補えないと困りますね。どうしたらいいのでしょう?

これは、結論から言うと、健康であれば、補う必要はない、ということになります。
酵素を補うという考え方は、もともと備わっている「潜在酵素」には限りがあるという考え方がもとにあります。
酵素の数に限りがあるという考え方は、エドワード・ハウエル博士が、1980年代に酵素栄養学に関する本を出版して知られるようになりました。でも、それはまだ酵素について研究が進んでいなかった頃の話。
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現代の分子生物学や生化学では、「潜在酵素」(つまり一生のうちで生産することのできる限界量)の存在は確認されておらず、酵素は身体の需要に応じて作られるということが明らかになっています。つまり、酵素の数に限りがあるという考え方は、間違えていることがわかりました。

ハウエル博士は、「人は生まれながらにして一定の酵素貯金=潜在酵素(一生で決まった量の製造能力)をもっていて、この貯金(酵素)をどんどん使いつづけた人は、早く破産(死)してしまう。“限りある"酵素をいかにうまくやりくりするかが、その人の寿命を左右する」ということを書籍の中で記していますが、そもそも酵素に限りがないとするとこれにも矛盾が生まれてきます。

酵素とは、消化や代謝に欠かせないもの。「潜在酵素」の数が決まっていて、加齢とともに減るものではない、としても、何らかの理由で、体内で必要な時に酵素が作られなかったり、スムーズに酵素が働けなかったりすれば、肌荒れにも、老化にもつながります。

逆に言えば、酵素がきちんと作られ、しっかりと働ける環境を作ることができれば、美肌や元気につながっていくとも言えます。

酵素が作られるように補酵素の摂取を意識

では、酵素がきちんと作られ、しっかりと働ける身体になるにはどうしたらいいのでしょう?

酵素を作るのには、分解されたアミノ酸が使われます。酵素はタンパク質でできているので、タンパク質を食べれば、酵素の原料になります。ということは、野菜や果物から作った酵素ジュースである必要はなく、タンパク質の豊富なお肉でもお魚でも豆でもいいということになります。
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しかし、酵素だけ作れれば、消化や代謝ができるというわけではありません。
実は、肌代謝には、補酵素という酵素を助けるパートナーがいます。
補酵素とは、文字通り酵素を補う成分です。酵素には、この補酵素がないと体内でしっかり働くことができない種類もあります。

補酵素の正体は、ビタミンやミネラルです。正確には、ビタミンやミネラルが補酵素を作り出す元となっています。つまり、酵素をしっかりと働かせ、肌代謝を促すためには、タンパク質だけでなく、食事でビタミンやミネラルをしっかり摂取する必要があります。さらにビタミンやミネラルは補酵素として、それぞれ働きが異なっています。
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例えば、どんなビタミンやミネラルが、どんな働きをするのでしょうか?

とくに代謝に係る補酵素には、ビタミンB群があります。

ビタミンB1

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ビタミンB1は、豚肉やうなぎ、玄米に多く含まれる成分で、補酵素として、糖質(炭水化物)の代謝に関わっています。
糖質(炭水化物)の代謝に補酵素として関わる成分に、レバーや納豆、卵に多く含まれるビタミンB2もあります。

ビタミンB2

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ビタミンB2は、脂質の代謝にも補酵素として関わっています。

ビタミンB6

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ビタミンB6は、レバーやまぐろ、かつおに多く含まれる成分で、補酵素としてタンパク質の分解や再合成に関わっています。

ナイアシン

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ナイアシンは、レバー、肉類、魚類に多く含まれる成分で、補酵素として糖質や、脂質、タンパク質の代謝に関わっています。

葉酸

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葉酸は、野菜や肉類に多く含まれる成分で、補酵素としてタンパク質や核酸の代謝に関わっています。
ここまでは、ビタミンB群と言われる栄養素で、代謝に深く関わっている成分ですので、覚えておくと良いでしょう。

最後にマグネシウム。

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マグネシウムは、大豆製品や魚介類、海藻、木の実に多く含まれる成分で、補酵素として糖質や脂質、タンパク質の代謝に関わっています。

このように、栄養素によって補酵素としての働きが異なり、上記にあげた以外のビタミンやミネラルも補酵素として酵素のサポートをしているのです。

ここまで補酵素の必要性を説明してきましたが、ビタミンやミネラルは摂りすぎに注意が必要なものもあります。
日々の食事のみで栄養素を摂り入れている場合には、摂取過多になることはありませんが、サプリなどを飲んでいる場合には注意が必要です。

酵素と肌荒れの関係

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最後に、「酵素」とは、肌荒れとどんな関係があるのでしょうか。美肌作りに欠かせないのが肌代謝と言われる「ターンオーバー」。
肌は大きく分けて肌の一番上にあって外から受ける刺激から肌を守ってくれる「表皮」と、その「表皮」の下にあり「表皮」を支える「真皮」、肌の一番奥にあり、外から加わる力などから身体を守ってくれる「皮下組織」の3構造からできています。
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さらに「表皮」が上から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つに分かれています。「表皮」の一番下の「基底層」で新しく細胞を作り、細胞の形を変えながら徐々に上へと押し上げられ角質細胞となり、最後はアカとして剥がれ落ちていくということを繰り返しています。これがまさに、肌の「ターンオーバー」です。
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この「ターンオーバー」は、個人差はありますが、28日周期が理想的だと言われています。
「ターンオーバー」が乱れると、古くなった角質がいつまでも肌に残り、角質が固くなってしまい肌がくすんでしまいます。

角質が固くなると化粧水を浸透させる力も落ち、しっかりとケアをしても意味のない状態となってしまいます。
この美肌作りに欠かせない「ターンオーバー」は、代謝そのものなので、「ターンオーバー」を正常化するには、「酵素」が必要なのです。

肌荒れ対策の近道は、食生活の見直しなのかも

ここまで、私たちの身体における酵素の役割から、酵素の誤解、酵素と肌荒れの関係、酵素をしっかりと働かせるための補酵素の存在まで、さまざまな視点からお話を進めてきました。酵素とは、今で思っていた酵素のイメージと少し違ったかもしれません。
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酵素は、消化を助けてくれたり、さまざまな細胞に栄養を送ったり、肌に着目すればターンオーバーを正常化させたりと、私たちの身体において重要な役割を果たしています。

そして、酵素は、そもそもタンパク質が消化されて、身体の中で作り直されるものです。なので、酵素ジュースではなくタンパク質をしっかり摂れば、充分ということも言えます。
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酵素が作られたあとには、酵素と一緒に働く、補酵素が必要です。補酵素は、ビタミンやミネラルから作られるので、お肉やお魚や豆からタンパク質を摂るときに、一緒に摂れます。

さらに、ビタミンやミネラルを補いたいときは、野菜や果物をサラダにして摂ったり、時間のないときはジュースにして摂ったりするのも、便利ですね。
そのように補酵素を摂取するために、酵素ジュースを飲むのはよいかもしれません。
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スキンケアをしているにも関わらず、肌荒れが改善しないときは、もしかしたら、肌代謝(ターンオーバー)がうまくいっていないことが原因であることもあると思います。

スキンケア方法を改善するのもいいですが、食生活を見直してみるのが早い解決策かもしれませんね。
酵素をしっかり働かせ、肌荒れ知らずの美肌を目指していきましょう!
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美肌ラボ編集部 美肌ラボ編集部